19世紀末、アラウィー朝ハッサン1世の
宰相、アリ=バハメットの私邸として建造。
漆喰細工、ゼリージュ、木工彫刻など、
細部にいたるまで美しい。
一般開放されていない部屋もあり、
時折、王族が宿泊しているという、現役の宮殿。
日差しの強い日中も、
敷地内はひんやりしている。
夏は涼しく、冬暖かく過ごすための工夫が
随所に施されているそうだ。
会議室として使われていた広間。
採光窓も一切の抜かりなく
装飾が施されている。
宮殿の完成までに14年の年月をかけたのも
納得できる緻密さ。
イスラム圏の一夫多妻の様子を垣間見れる
4人の妃と24人の妾が過ごしたハレム。
2番目の妃を一番気に入っていて、
宮殿名のバヒアとは、その妃の名。
現国王の治世から、
モロッコでは一夫多妻制から
一夫一婦制に代わった。
一夫多妻制の時は男児を生んだ夫人が
他の夫人よりも優遇されていたとも聞く。
ゼリージュと呼ばれるタイル装飾。
職人による手作業で作られる、このゼリージュは
モロッコのものが一番装飾が細かくて美しいといわれている。
一番奥の部屋は、家主の寝室だとか。
他の居住空間よりも一段と明るく
美しい天井彫刻。
観光地として人気の場所なのだそうだが、
早朝は静かに室内を見学できる。
色彩豊かで独特な文様も多く、
どの模様も見ていて飽きる事はない。