2011年10月31日月曜日

The coffee shop



ケニアの地方都市で、
「インスタント以外のコーヒーを店で飲む」
ということが随分難しい。

コーヒー・紅茶の輸出量が
ケニアの経済を支えているにも関らず、
コーヒー文化は見受けられない。
チャイタイムは大切にされているが、
本当に美味しい紅茶を飲めるかと言えば、
それもやはりケニアでは難しい。



任地で美味しいコーヒーを煎れてくれるような
小洒落たカフェを所望するつもりはないが、
せめて買出しで立寄る地方都市には
1軒ぐらいあって欲しい。

2011年10月30日日曜日

外来種のいない森



原生林とは趣が異なる森の散策。
植生が違う為か、森の中でも明るい。

ほどほどに手入れが施され、
気持ちよく歩ける工夫がなされている。



外来種が入らないように
管理されているそうだが、
保護区内を流れる小川には
人間の垂れ流したゴミがいたる所に。

そんな、一見観光には負の要素も、
ガイドが律儀に紹介する。



目当てのサルとは出会えなかったが、
機会があれば、また散策しても良いと思う。

2011年10月29日土曜日

情勢不安



ケニアのコーストエリアで、
外国人観光客が誘拐された事件が相次いだ後、

ケニア軍のソマリア侵攻に関し、
アルカイダより報復宣言が出され、

ナイロビ市内や国境付近での爆弾事件。


JICA事務所からは、
ナイロビへの上京自粛を促され、
他国からのJICA関係者のケニア旅行に関しては
渡航禁止措置が布かれた模様。


任地では、
あまりにも穏やかで長閑な時間が流れていて、
それが同じ国内で起こっている出来事とは
想像もできないものだが。


世界中で起こる自然災害に心を痛めていたが
足元、ケニアでの出来事に、
なんと愚かな事なのだろうと、言葉もない。

ただただ、
事態が一刻も早く収束に向かい、
人々の生活に平和が戻ることを願う。

2011年10月28日金曜日

ある日のランチ



保健事務所総出で
ポリオキャンペーンを行っている。

エイズ対策官も結核対策官も、
routine work を片手間に
フィールドに駆り出されており、
毎日のフィールドワークで
殆どのオフィサーはランチお預けで
仕事にかからざるを得ない状況。

とは言っても、
フィールドに出る前のチャイは欠かさないが。


フィールドの帰り、
昼食には遅くて、夕食には早い時間だったが
食事に誘っていただいた。

久しぶりに任地で魚を食べた。

2011年10月27日木曜日

Apondo



道の途中に大きな建築物が見えたら、
大抵の場合、それは学校か教会。

通りがかった小学校にも、
ポリオワクチンのボランティア達の同行を
伺うために立寄った。



丁度、昼時だったこともあって、
先生方が木陰で食事中。

ポリオキャンペーンについての説明や、
他にも感染症の恐れのある子供のことなど、
簡単なインタビューを行う。

とにかく陽気な教師陣だった。

2011年10月26日水曜日

Nyabura



ロンゴタウンを一歩出れば、
そこは長閑な田園風景・・・
もとい、電気も水道も道もない、
本当に田舎と呼べる景色が広がる。

県内の殆どの人々は、
このような場所に住んでいて、
自給自足に近い生活を営んでいる。


訪れた家庭には、ポリオワクチンの
摂取対象になる子供がいなかった。



ここで、オフィサーは子供達に
病気のこと、ワクチンのことなど
クイズ形式で出題。

子供達の中で正解者がでると、
飴玉をあげていた。



もちろん保護者からの質問にも的確に回答。

Nyaboro



Nya から始まる地名が多い地域を
たまたまこの何日間か周っている。

ちなみに、Nyaboro というのは
その辺りを流れている川の名前なのだとか。



ケニア人にとって牛は財産。
田舎に行けば行くほど、
牛への対応が丁寧な印象を受ける。

ここでも、ポリオのワクチン投与状況について
簡単なインタビューと質疑応答。



健康に関すること、家族のこと、
話し始めると話題が絶えない。

来賓



各所から注目を浴びている、
ポリオ発生のお陰か、
日々来賓が絶えない。

今日も保健事務所では、
朝から何時間にもおよぶ会議。

時々、オフィサーだ出てきて渋い表情を見せる。

チャイタイムを返上しての会議は
ケニア人には辛い事だろう。

2011年10月25日火曜日

宗教と医療



宗教施設にも乳幼児はいる。

集団生活をしている宗教団体にも
ポリオワクチンの投与のために
ボランティアが訪れていたよう。



キリスト教と伝統的な宗教と様々な習慣が
入り混じっていると説明された宗教。

部外者が敷地内に入ることを拒絶。



それでも、根気強い説得の末、
オフィサー1人だけが敷地に入ることを許された。



門の中も見せてはくれないそうで、
年配の信者が始終何かを話していた。

残念ながら、全てルオ語だったので
どんな会話がなされているかは不明。



オフィサーも敷地内の一部しか見れず、
子供の体調確認も出来なかったようだ。

彼らは彼らなりの信念を持って
活動しているのだろうから、
教義や慣習に関して言う事は何もないが、
子供達の健康はやはり気になる。

Nyangao



ポリオキャンペーンの supervision 同行中。

医療施設から離れた場所に住んでいる子供達は
何らかの疾患を抱えていることが多い。
キャンペーン中にそういった子供達が発見され、
治療に繋げられるのは今回の良い点。



小さな子供はパンツも履いていない・・・
どころか、裸で駆け回っている。


ワクチン投与を行った家には
チョークで印をつける。



海外の機関が視察に来るらしく、
その為に念を入れた supervision 。
気合の入れ方が普段とは大幅に違う。



左から
R2 : round 2
T23 : 23th
7/7 : 7人中7人がワクチン接種


民家の合間を縫って
各家庭を訪問し、状況確認。



この少女も足に湿疹がある。
触れると嫌がるものの、日常生活には支障がないと。



医療機関から離れた地域に住む人々は
治療開始が遅れることが多々ある。

特に子供の場合、
症状を説明できなかったり、
我慢することもあるだろう。
早期発見・早期治療のためにも
定期的な巡回指導は継続して行って欲しい。

2011年10月24日月曜日

Nyamuga



小学校の昼休み時間。

ここでポリオワクチンキャンペーンの元
Door to door で field をまわっている
ボランティア達と落ち合う。

生徒達は昼休みに自宅でランチをするためか、
閑散とした構内。



学校の先生達。

外国人の訪問と見るや、
「アレが欲しい」
「コレが足りない」
と盛んに話しかけてくるが、
今回は学校訪問が目的ではないので、
同行したオフィサーが軽くあしらう。



ポリオワクチン投与に関して、
ポリオや他の感染症が疑われる子がいないか、
ワクチン拒否などの問題がないか、
インタビューしながらケア。



ボランティア達は何人かでグループを作り、
それぞれ地図を持ってワクチン投与している。
地図上のカバーしきれていない所の確認や、
他のグループと協同でできるエリアがあれば、
連絡を取り合って行っている。



ポリオワクチンは生ワクチンなので
冷所保存が原則。

クーラーボックスの中には
保冷剤とワクチンが入っている。

医療従事者ではないボランティアのために、
必要時以外のクーラーボックスの開閉をしないよう
何度も注意をしながらアウトリーチ。

感染症が疑われる子供の家庭に訪問。



水疱瘡と診断された子供。
顔中湿疹が出来ていて気の毒。

目力が強くて、賢そうな子供だった。

Nyarach



現在、ロンゴではポリオワクチンの
Door to door 大規模キャンペーン中。

コミュニティーヘルスワーカーや
医療ボランティアが家々を周った結果、
麻疹や水疱瘡を発症している子供達が
何人も見つかった。

その為、保健事務所から supervision として、
オフィサーがフィールドに出ることに。



症状の確認。

時として、報告された病気と
症状が異なることがあるそう。



ポリオは生ワクチンにも関らず、
麻疹や水疱瘡の子供であっても
親が拒否しなければワクチン投与されているらしい。

状態が悪化しないのか疑問。



子供の母親達には、
病院で治療が無料で受けられること、
ポリオワクチン接種は全部で3回あることなど
必要最低限のアドバイスを行う。

2011年10月22日土曜日

週末の薬剤部



病院の薬剤部には
男性のスタッフが多い。

そのせいか、
室内は常にゴミゴミしている。
彼らは職域を越えた「清掃」には
手をつけようとしないものだ。

院内の掃除をしてくれる女性スタッフも
週末は休むので、ますます乱雑な室内。

とは言っても、
多くのスタッフが休む週末に
昼休憩もとらずに投薬をする姿は
ケニア人らしからぬ風情。

週末だけ掃除を手伝うのも悪くない。

外国人が文句を言いながら掃除を始めると、
極まりが悪いのか、手伝うそぶりを見せる。
根はみんな良い人達なのだ。

Zubaa point



庭に大きな木がある。
木陰に敷物を敷いて、
寝そべったり本を読んだりするのは
休日の楽しみの一つ・・・

だったけれども、
年明けに空き巣未遂があってから
我家は24時間警備体制になり、
このお気に入りの場所をアスカリ(警備の人)に
独占されている。



リラックスするのは構わないし、
敷地を見渡せる意味でもbest position なのだろうが、
本当に寝てしまっていないのか時々怪しい。

2011年10月21日金曜日

Polio training



州保健事務所からオフィサーが派遣され、
ポリオに関するトレーニング及び、
Door to door activity が行われることになった。

ポリオを最初に発生させたと予想されるロンゴは
いまや保健省のトップも注目する Hot place らしい。
不名誉な限りではあるが・・・

朝早くから、県保健事務所で
保健事務所のオフィサー達と会議。

現在 second phase だそうで、
大掛かりなワクチン投与キャンペーンをするよう。


その後、場所を移してトレーニング会場に。



県内全地域で展開する Door to door のため、
200人近くの人がトレーニングを受ける。

後ろの席の人達にまで、
演者の声が届くのか疑問。



Polio(急性灰白髄炎)

感染経路:
病原ウイルスは、感染者の咽頭に存在。
感染者の便から排出されたウイルスが主な感染源。
さまざまな経路で経口感染。
感染者の一部で、消化管から神経組織へとウイルスが侵入。

症状:
潜伏期間は1~2週間。
発病初期の症状は、発熱、頭痛、倦怠感、嘔吐、
下痢など、感冒・急性胃腸炎に似たもの。
上記症状が1~4日続き、熱が下がる頃、
足や腕に弛緩性の麻痺が出現。

治療法:
治療法は無い。
急性症状に対する対症療法を行う。
残った麻痺には、マッサージや電気療法、
運動療法などのリハビリテーション。

予防法:
経口生ワクチン又は不活化ワクチンの接種がいずれも有効。
弱毒化もしくは不活化したとはいえ、ウイルスそのものを
接種するため、ワクチンによるポリオ感染が一定の確率で避けられない。

2011年10月20日木曜日

訪問勧誘

祝日の朝、
見慣れない、しかし小奇麗な
2人組が我家に訪ねて来た。

ケニアで初体験の訪問勧誘である、
それもなんと宗教の。

なにやら冊子を取り出そうと、
カバンと格闘していた。

ケニアにも訪問勧誘の類があることに、
若干の感動を覚えつつも、
冊子がカバンから出現する前に
早々にお引取り頂いた。

こんな時、外国人相手には
あっさり引き下がってくれるものである。

様子を伺っていると、隣人宅にも訪問していた。



1日かけて何軒まわるのか分からないが、
どのくらい普及効果があるのかは興味深い。


ちなみに、任地ではほぼキリスト教。
コーストや大都市で見られるムスリムは皆無。

ここでのキリスト教は、
日本人が想像するキリスト教とは違う。

いくつかの宗派のようなものがあるが、
どの宗派も毎週、土曜日か日曜日に集会をして
大音量で何かを叫んでいる。

部族の習慣に応じてか、一夫多妻も認められているし、
神様は自分のことを愛している
(だから、悪いことをしても週末に謝れば許してもらえる)
と思っている人も少なくない。

「厳か」「敬虔な」といった表現とは対極にある
ケニア的に都合の良い様に解釈したキリスト教と言える。

赴任当初は
「自分の宗派が1番だから、改宗すべきだ」
と、皆こぞって教会に連行しようとしていたが、
ケニア的な宗教観に馴染めなかったので、
宗教には触れないように、週末はひっそりしている。

まさか祝日に布教活動しているとは驚いた。

2011年10月19日水曜日

PSC 新しい展開



PSC : Patient Support Center も
前回のレポートから1ヶ月が経過し、
どうやら進捗が見うけられた。

ちなみに、先月の状態
「 Polepole のPSC 」

カカメガ訪問の前に、
窓枠を取り付けたのを確認していたが、
なんと屋根の設置が終了している。



この調子で作業が進むと、
年内の完成も夢ではないかもしれず、
野晒しで順番待ちをしている患者にも
屋根のある待合室をもうすぐ提供できることになる。

すでに要請を出した後任の為にも、
活動拠点を確実にしておきたい所。

しかしながら、
期待は裏切られるのがケニアの常。

任期中に完成することを願って、
経過観察継続中。



話は変わるが、先日、
保健医療セクターの専門家との雑談で
ポリオについても話題に上がった。

ニャンザ州の中で、
ポリオの outbreak がみられているそうだが
その発生地がロンゴだったとのこと。

任地の同僚達は誰も教えてくれなかった。
彼らが知らなかったはずはない。
でも、隠していた訳ではないと思いたい。

言い出せなかったのだろうけれど、
唖然とするより他ない。

どおりで
保健事務所総出でポリオ対策を講じる訳だと
納得するものがあった。

2011年10月17日月曜日

白と黒



Study tour で早めに帰宅する人達を見送った時、
普段は canopy(林冠)にいて、
なかなか姿を捉えることのできないサイチョウが
目の前に佇んでいた。

嘴の大きな方がオス、
目の周りがうっすらピンクなのがメスだそうだ。

散策中にその特徴的な鳴き声や
飛び立つ時の賑やかな羽音を聞く事はあっても、
間近で見るのは初めてで、暫く見とれていた。


カカメガの森の中で不思議に思う事の1つが
体の大きな動物の色が白と黒であること。

このサイチョウもそうだし、
白黒コロブスという猿も名前の通り白と黒。

森の中では目立つ色彩のはずだが、
肉食動物などの天敵がいないためなのか
不自由はしていないのだろう。


白と黒に思いを馳せていると、
昔、旅行先で手相を見てくれた占い師が、
「あなたのラッキーカラーは白と黒よ」
と言っていたことを、ふと思い出す。

2011年10月16日日曜日

KKMG study tour 2

~森散策編~

炭作りを終えた後は、参加者一同
カカメガ森林国立保護区に移動。



原生林を歩く。

カカメガの森にはケニアに存在する
植物の20% 350種
蝶の40%  400種
をはじめ、貴重な動植物が生息しているそうだ。



その中でも有名なトレイルを散策。
トレイルの名前の由来になった木や
薬として使われたり、衣類となった木を紹介される。


翌朝、薄暗いうちに宿舎を出て
View Point で日の出を望む。



太陽が顔を出し、
世界をオレンジ色に染め始める。



柔らかな光の中でのガイドウォーク。

カカメガに生息する蛇は27種。
そのうち毒をもつのは25種とか。
遭遇率は高くないものの、
足元の岩場には鳥の巣があり、
時々蛇が卵を狙って出没するらしい。



シダ植物を目前にして、
食用の蕨があるのか検討。
植物は奥が深くて難しい。



「葉」の定義について聞く。
落葉する時に茎から離れる場所から先までで
1枚の葉というそうだ。



時には、想像するよりも
随分大きな「1枚の葉」が存在すると知る。


散策を終えて、
ゲストハウスのベットに倒れこむ人々。



充実のカカメガスタディツアー、
皆さんお疲れ様でした。